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きものトラブル事例集 な行

のせ友禅&金彩の剥離

 

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京都市産業技術研究所繊維技術センター「和装品故障事例集」より

 

のせ友禅とは、顔料及び金属粉などをバインダー(接着剤)に練りこみ捺染する技法です。

この技法で染められた柄が剥離するトラブル事例です。 

上の写真は、顔料を使用したのせ友禅の剥離部分です。柄が生地から浮いているのが分か

りますが、それ以外の部分も針で触ると簡単に剥離します。

 

剥離の原因は、当初はドライクリーニング後の発見事例が多かったので、ドライクリーニ

ングに使われる溶剤かと思われたのですが、その後溶剤だけでなく、バインダーに使用さ

れたウレタン系樹脂の種類、また顔料及び金属粉とバインダーとの配合比率など、複合的

な要因が絡んでいることが分かり、現在でもはっきりした原因は分かっていません。

また、同じようにドライクリーニングで金箔が取れるという事例も見られます。

これもクリーニング溶剤とバインダーの関係に起因していると思われますが、やはり原因

因子の特定にまでは至っていません。

 

ただ、この二つのトラブルには共通するキーワードがあります。それはバインダーの劣化

です。経年したきものほど故障事例が多いことからも、バインダーの劣化が進み、接着力

が低下したことが剥離に繋がったと思われます。

そして、その劣化を助長しているのが「酸化」であり、その誘引となっているのが、

実は「湿気」なのです。

 

酸化がもたらす様々な時経変化は、すべてが湿気がその温床になっていると言っても過言

ではありません。

その意味でも、調湿管理することが、メンテナンスの基本と言ってよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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