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えっ、きものの保管に防虫剤はいらないの?

もちろん、100%不要とは言いません。

しかし防虫剤を入れすぎると、かえってきものに悪影響を及ぼすことをご存知ですか?

それも重大なー。

 

これは大切なことなので、詳しくは次の機会に改めますが、防虫剤は使い方によっては

メリットよりデメリットの方が大きくなるのです。

入れ過ぎるくらいなら、むしろ入れない方がよいくらいです。

何故かというと、これはあまり知られてないことなのですが、

そもそも、きものはあまり虫が食べないのです。

 

 

2019929112830.JPG

 

 

上の図は虫による食害率を表したものです。

蚕の吐く糸は、フィブロインというたんぱく質と、セリシンというニカワ成分で作られ

ていて、それを精錬することによりセリシンを除去したものが、絹糸です。

 

図を見ると「生糸」に比べ「石けん精練」の糸の方が、大きく食害率が低いことが

分かります。生糸は精練してセリシンを取り除くと、食害が約10分の1と劇的に

減るのです。

 

絹糸で出来たきものは、実は意外にも虫の害を受け難い。このことからも、

防虫剤の必要性がそれ程高くないことが、お分かり頂けると思います。

 

ただし、繰り返しになりますが、まったく食べないわけではありません。

特にウールや木綿のきものには、防虫剤は必要です。

また、昔の「地絹」と呼ばれる練りの不完全な布や、酸化したシミの多いきものも、

相対的に食害率が高くなるようです。

 

つまり、古いきものほどそのリスクは高くなるのですが、例えば作って10、20年

ぐらいで、そしてそれなりにメンテも心掛けているようなきものであれば、

それほど神経質になる必要はない、ということです。

 

むしろ、防虫剤を大量に使用すると、いわゆる「ガスやけ」と呼ばれるシミや、

金や箔が溶けてしまう等、過剰に気化した防虫剤による事故が起き易くなるのです。

その確立は食害率の比ではなく、40~50%にも及びます。

そしてそのような故障は致命的で、一度なってしまうと、もう直りません。

 

しかし、これを防ぐ簡単な方法があります。

それはこの事実を知り、行動を起こすこと。

 

あなたが大切にしているきもの、もし鼻をつまむほど、たくさん防虫剤を入れてるなら、

今すぐに全部取り出してください。

 

それがあなたのきものを守る、最初にして、最良のお手入れです。

 

 

 

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