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たんすコンシェルジュのすすめ

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先日、たんすコンシェルジュの依頼が

あり、ご自宅訪問させて頂きました。

 

たんすコンシェルジュとは、手持ちの

着物のメンテナンスや整理について、

実際に自宅に伺い、たんすの中を見な

がらアドバイスするという、きもの専

門店ならではのサービスです。

 

訪問が前提で、しかも上がり込むので

敷居は高いのですが、その人に合わせ

たきめ細かな提案ができるので、

これがそこそこ好評なのです。

 

たんすコンシェルジュとしての訪問は

今回が2回目。

 

一応、試験も資格も必要な肩書きです

が、実は悉皆屋的には当たり前の知識

であり、従来の「タンス診断」訪問と

内容的にはさほど変わりません。

 

ただ、昨今は何処の馬の骨(これは中

国の語源で役立たずの厄介者の意味)

か分からぬ見知らぬ呉服屋を、簡単に

家に招き入れる程、世の中甘くはない

はずなんですが、だからこそのニーズ

なのか、横文字の響きがいいのか、

今回、又お呼びが掛かりました。

 

ありがとうございました。

 

コンシェルジュが対象とするのは、当

然ですがたんす(を含めた手持ち)の

着物。それが今どういう状態なのか、

またどうしたらいいのか、等について

アドバイスします。従って何かを売り

付けたり、買い取ったりはしませんの

で、端から処分を考えているのであれ

ば、元より出番はありません。

 

コンシェルジュを利用することの最大

のメリットは、手持ちの着物の価値が

判ること。もちろん、これ売ったらナ

ンボの値段ではなく、自分にとっての

「利用価値」の見極めです。

 

例えば母親の留袖があるとします。

 

留袖は結婚式にしか着れませんので、

将来的にもその予定が全くなければ、

利用価値はゼロです。

 

でも、お子さんが一人でもいるなら

この子のときにでも、と利用価値が生

まれてきます。

 

ただ、その着物が古ければ古いほど待

ち得るハードルは高くなります。

 

「柄が古臭い、柄はキライじゃないけ

どシミだらけ、柄も汚れも許容範囲だ

けど袖を通したらサイズが足らない、

柄も状態も悪くなく寸法もいけるしこ

れならいいんじゃない?と思ったらこ

の留袖に合わせる帯や襦袢がない!」

 

手持ちの着物が自分のものでない以上

何が障壁になるか分かりません。

 

その人の体形や保管状態の違いで、

金銭的な意味も含めて利用価値は大き

く変化してしまいます。

 

そして、意外性もまたしかりです。

 

留袖用じゃないけれど、探したら喪服

の白襦袢と訪問着の帯が見つかって、

これが意外にも留袖に合っちゃった、

なんてことも・・・。

 

これだけで利用価値は一変します。

 

もっとも、当然そう上手くいくわけで

もなく、全部ダメな場合もあります。

 

ともあれ、お手持ちの着物の価値評価

は、最後はご本人様に委ねられます。

 

自分のこと、家族のこと、それらを含

めてその着物が価値があるかどうかは

ご自身で判断するしかないのです。

 

コンシェルジュは、その道案内に

過ぎません。

 

ただ、その価値を客観的に判断する

ための見方、ポイントはあります。

 

最後にそれを3つ挙げておきます。

 

1つは、費用対効果

 

古い着物の再利用には、必ず費用が掛

かります。どれもこれもではキリがあ

りません。何を生かしてどこにお金を

掛けるか、優先順位を設定してしっか

り線引きをすることが大切です。

そこで、

 

2つめは、絞り込むこと

 

着物には様々な種類のものがあります

が、ご自分のたんすの中の着物がどう

いうものか理解した上で、残しておく

ものを選ぶことが大切です。

 

そう、残すものを「選ぶ」のです。

でも決して難しくはありません。

 

着物を知らない人にとって、

たんすの中身はカオスです。

 

それくらい、昔の人は必要なものも、

不用なものも(こちらの視点ですが)

ゴチャまぜなのです。

 

説明を進める中で、自分にとっての着

物が、おぼろげながら見えてくると、

どれを選べばよいか分かってきます。

 

過去には、結果として80%処分して

サッパリした、なんて事もあります。

 

3つめは、長いスパンで考えないこと

 

子供がいるから、といっても、

その子が小学生、中学生だったら、

着物が持ちません。

 

多分、貴女が手にしたその着物は、

すでに息も絶え絶えなはずです。

 

利用するスパンは長くて10年です。

今から10年以内に着る可能性のある

ものを、優先して選びましょう。

 

 

テレビのCMに、

「5年着てないならもう着ないって」

というフレーズがあります。

 

でも、二千年に亘るきものの歴史を

鑑みれば、未だたとう紙の紐を解く

ところまでも、至っておりません。

  (書いてて意味不明)

 

とは言え、流れの早い現代に於いては

たんすの肥やしどころか、発酵し過ぎ

の単なるゴミ化の恐れもあるのです。

 

とにかく、生かすも殺すも貴女次第。

 

♪貴女まかせのワタシなの、と、

たんすの中の着物も申しております。

   (更に意味不明)

 

どうせコロナで何処へも行けません。

 (あっコンシェルも無理か?)

 

貴女も一度、勇気を出して

のぞいてみませんか。

 

 

 

 

 

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