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2020年5月

きもの DE 短歌 その20

伊達〆は 衿元裾を整えて 上、下二本で 着崩れ防ぐ

伊達締めは、衿合わせを固定したり、

おはしょりを整えるために使うもので

上下とは着物と長襦袢に、2本使うと

言う意味です。

 

ただ、衿を留めるためには一般的にコ

ーリンベルトを別に使いますので、

腰紐一本では心元ない前合わせを始末

する、サポート的な役割もあります。

 

というのも、土台となる腰紐が緩むと

伊達締めも何もかも、すべてが緩んで

しまうのです。

また、衿合わせに使うコーリンベルト

も、腰紐が緩むと衿がかぶってきて、

衣紋の抜けてない子供の着物のように

(カッコ悪く)なってしまいます。

 

何でもそうですが、土台や基礎という

ものが、一番大切なのです。

 

最近、我が家でも羽アリを

よく見かけます。

心配です・・・。

 

 

 

 

 

 

 

きものトラブル事例集 は行

は行 箔の異常

① 箔焼け

2020510121030.JPG

京都市産業技術研究所 故障事例集より

 

和装品に使われている金銀糸や平箔が

保管中に黒く変色する事があります。

これは金銀糸や平箔に使われている金

属素材の銀とイオウ成分が引き起こす

化学変化(銀の硫化変化)で、一般的

には箔焼けと呼ばれています。

 

上の写真は、保管してあった帯の表面

が黒ずんでしまったもの。

帯の上に置いたものにイオウ分が含ま

れていて、その気化したガスで全体が

変色したと思われます。

 

また、一部四角く変色してない部分が

見られますが、これはそこにあった物

が、上からのガス成分を遮断したため

変色を免れたと推測されます。

 

2020510134329.JPG

京都市産業技術研究所 故障事例集より

 

上の写真は、金銀糸を使った帯締めを

丸めて巻いて輪ゴムをかけて保管して

おいたところ、輪ゴムに接触していた

部分が黒く変色したものです。

 

ゴム類にはイオウ分が含まれているの

で、金銀糸や平箔に接触すると、この

ようなトラブルを招きます。

 

ゴムを使った小物類は、きものや帯と

は別にして保管しましょう。