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きもののリメイクについて

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きものの染替えについて

染替え -色抜きについて-

染替え -色・柄選び-

再生加工について

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きもののリフォームについて

リフォーム 古い着ないきものがあるのだがどうしたらよいか、というお話をよく聞きます。自分ではもう着ない、さりとてゴミとして捨ててしまう事も出来ず、しかたなくタンスにしまい込んであるというもので、皆さんもお持ちではないでしょうか。きものは解いてパーツを繋ぎ合わせると一枚の布になります。「布」としての利用方法を考えるなら"どうしたらよいか"と聞かれれば"どうにでもなりますよ"となるのですが、もちろんそう簡単には行きません。そこには一人一人が持っている様々な「条件」があるからです。

 古い物を利用しようとするとき、人は必ず損得を考えます。もともと「不要」な物ですから、損をしてまで使おうとは思いません。そして損か得かの「ものさし」になるのが、それぞれが持っている「条件」で、それは「予算」だったり「目的」「使用方法」など人によってさまざまです。また利用するものが「古物」である以上、こちらにも出来ることと出来ないことの「条件」があるわけで、その双方の「条件」をクリアし、しかも"おそらく対峙するであろう"他の方法よりも「得」であると判断したとき、はじめて古い物を利用しようとするわけです。リフォーム

 このように考えると、古い物の再利用にはおのずと限界があり、その方法も限られたものである事がわかります。確かに数ある再生加工法のなかで、それでは実際に使えるものというと実はひとつかふたつというのが現実なのです。しかもそれは100%の効力を発揮しません。なのに「きもののリフォーム」は、今日においても関心が高く、加工取扱い数も昔と比べて決して少なくありません。それは何故でしょうか。
 ひとつにはリフォームの持つ「可能性」があります。ひょっとしたらあれにならないか、うまく行けばこう出来るかもしれないという"資材"としての可能性です。同時にそれはカタチを変えて生まれ変る、いわば「無機質」のものを「有機化」するという意味で、他にはない他の人が持っていない「オリジナリティー」の発現になるわけです。
 もうひとつは、人それぞれの「価値観」の違いです。同じものでも、どこに比重を置くかでその評価、捉え方が違ってくるように、端から見て、たとえそれが50%の出来栄えのものだとしても、その人の「条件」を満たしているのであれば、それはそれで十分価値があるものになるのです。個々の人が感じ得る「満足度」が固有のものである以上、その尺度は無限大というわけです。"各人固有の「感性」がすべて"のきものは、その意味ではもっとも加工しやすい素材であるといえます。
 それでは一枚のきものを"資材"として考えた場合、具体的にどのようなものが作れるでしょうか。
 

 ■きもの
   ┗(染替え・仕立替えをして)…きもの
   ┗(染替え・仕立替えをして)…帯・コート等きもの以外の和装
   ┗(生地を利用して)…スカート・ワンピース等の洋装
   ┗(生地を利用して)…草履・バッグ等の和装小物
   ┗(生地を利用して)…タペストリー・のれん等インテリアグッズ
   ┗ ゴミ

 

 上記は大まかに分けたものですが「生地を利用して」というのは、一枚の布として利用方法を考えたもので、本来のリフォームの意味とは多少異なります。

きもののリメイクについて

 きものは分解すると8枚の布(表生地の枚数、裏地を入れると全部で25枚)になります。従ってその組み合わせ次第では、様々なものに作り変えることが出来ます。和装のアイテムでいえば、きものから羽織、道行コート、帯などに仕立て直す事が出来ます。ただその場合柄付けが変わってしまうので、加工の際にはよく検討したほうが良いでしょう。

 ちなみに着物以外では、羽織→着物×  羽織→道行コート○  羽織→道中着○  道行コート→着物×  道行コート→羽織×  道行コート→道中着×  道中着→着物×  道中着→羽織○  道中着→道行コート○

 その他のリメイクについてはお問い合わせフォームよりご相談ください。48時間以内にご返事いたします。

きものの寸法直しについて

 着物の寸法直しは、どこの寸法かによって部分的に直せるものと、解いて仕立て直しをしなければ直せないものがあります。ここでは問い合わせの多い寸法についてお話します。

■部分的に直せるもの/裄・袖丈

 裄丈とは手の長さのことで、肩幅と袖幅を足した長さです。袖付けの部分を解いて縫い込み分の布を広げ、通常最大で75~76センチ前後のサイズに直せます。料金は10.000円前後になります。
 袖丈は袖の長さのこと。袂の部分を解いて寸法を変えることが出来ますが、どの程度出るかは、どの位縫い込まれているかで決まります。料金は6.000円からになります。

■仕立て直しになるもの/着丈・身幅

 どちらも、解いて洗い張りが必要な仕立て直しになりますが、着丈は袖丈同様に縫い込み分が少ないと、丈を出すことが出来ない場合があるので、解く前にどの程度入っているか確認しておきます。料金は、解き代・洗い張り代12.000円前後+其々の仕立て代となります。

 その他の寸法直しについてはお問い合わせフォームよりご相談ください。48時間以内にご返事いたします。

きものの染替えについて

 きものは染めたものであれば、基本的には染替えは可能です。が、そのきものによっては、あまりお勧めしない場合や、出来ない場合もありま染替えす。費用もそこそこに掛かります。新しく買うより安かったのは昔のことで、値段だけなら今では買ったほうが安いのです。そして染替えである以上、白生地から染めた程の染上がりは期待できません。にもかかわらず、染替えに対する関心は今日でも決して低くありません。それは満足度が高いからです。

 手持ちのきものを利用したいと考える人は、目的意識を持っています。そしてああ出来ないか、こう出来ないかといろいろ考えを進める中で、価値尺度がはっきりしてきます。これは大切なことで、自分にとって染替えがどのような価値があるのかを明確にしなければ、加工しても無駄になってしまいます。言い方を換えれば、その目的に対して染替えが有効でなければ、やっても意味が無いわけです。
 それを判断する尺度も人それぞれで、例えば予算や着る回数、好みの柄かどうかとか、自分が着なかったら他に着る人がいるかとか、いろいろある訳で、それらに照らし合わせて、ある程度のリスクと引き換えてもやる価値があると判断して、初めて加工するわけです。

 そのため自分の意向に沿ったものに染め上がった時はとても満足度が高いのです。もちろん自己満足ですが。ですからよく、この着物は染替える価値があるでしょうか、と聞かれるのですが、それはこちらには判りません。仮に染替えることが出来たとしても、その価値はご本人しか判断出来ないのです。染替え

 では具体的に染替えを行う上での予備知識を幾つか挙げておきますので、参考にして下さい。

 

■1.何を染めたいのかはっきりさせる

 染替えて何を作りたいのかを先ずはっきりさせましょう。素材(染替えようとするきもの)によって出来るものと出来ないものがありますので、早めに諦めることができます。

■2.予算の上限を決める

 その上で予算を決めます。目安は無地で6~7万円、小紋で10万円迄、付け下げ・訪問着で20万前後ぐらい(もちろんお店によって違います)。それ以上だと新しい良いものが買えます。

■3.染替えの方法

 染替えには色を抜いて染める方法と、抜かずにその上から色をかける方法があります。一般に染 めのきものは色を抜いたほうが染替えには有利ですが、例えば無地で地色を同色で濃くする(色 揚げという)場合や、抜くと不都合が生じる場合は抜かずに色をかけます。柄物でも色抜きせず染めることは出来ますが、元柄とのからみで染上りはバクチに近く、あまりお勧め出来ません。紬は 先染(織柄)のものは色抜き出来ないので色かけだけですが、染めた紬(染大島など)なら色抜きは可能です。

 近年では比較的コストパフォーマンスの高い「丸染め」という加工方法もあります。これは文字通り仕立てたまま染料に浸け込んで染めます。費用は従来の染加工に比べ3~4割安いのですが、裏地も染まってしまう、染め上がりの不安定さ、生地の微妙な萎縮など、デメリットもありますので、それなりの寛容さが必要と理解すべきです。右上のコートはこの「丸染め」で染めたもので、裏地が染まっているのが分かります。ちなみに、実際には上はもう少し赤く、下のはもう少し地味です。 まずままおおまmaデメリットもあります。でであああこうらじう

■4.染替えは色抜き次第

 「赤色、黄色にご用心 黒と白にも注意して金銀、刺繍は泣き所」 実はどんな染でも(たとえ無地でも)100%色を抜くことは出来ません。薄く茶色にうっすら残るのが普通です。元々きものを 染めるとき、色抜きのことを考えた加工法が取られることはありません。柄色によっては抜けないものもあり、繍箔も色抜きの障害になります。基本的に凝った加工のもの程、染替えには不向きで、柄のない無地に近いものほど染替えに向きます。

■5.無地にはきれいに染まらない

 無地に染めるのは一見簡単のように思えますが「無地に始まり、無地に終わる」と云われるくらい(白生地から染める場合でも)、無地染めは難しいものです。まして古物は生地の痛みが染めムラになりやすくきれいに染まらないので、無地に染替えることはお勧め出来ません。

■6.元柄に似た柄を選ぶのがコツ

 既に前述したように、染替えの成否は抜け具合によります。色抜きしやすい素材を選ぶことも大切ですが、元柄が抜け残った場合、いかに目立たなくするかがポイントになります。その唯一の方法が染めること。つまり元柄と似たような大きさ、構図の柄を選び、元柄を隠してしまうのです。柄を 柄で消すわけです。そういう柄選びをすることが、染替えを成功させる秘訣です。

■7.付け下げ・訪問着は染替えに不向き、留袖・喪服は×

 以上の理由で付け下げや訪問着は染替えには向かないのですが、全く方法が無い訳ではありません。それは柄を消すのではなく、柄はそのままで地色を替えたり、ろうけつ調子の吹雪柄に染めて全体のイメージを替える方法です。但しそれも選択肢の一つです。ベストの方法かどうかはよく考えた方がよいでしょう。尚、留袖や喪服は色抜き出来ません。

 その他の染替えについてはお問い合わせフォームよりご相談ください。48時間以内にご返事いたします。

染替え -色抜きについて-

 染替えは、きもののリフォームのなかでは、もっともポピュラーなものです。きものは解いて一枚の布にすれば、色をかける事も柄を置く事も、基本的には可能です。問題はそれが適するか適さないかという事で、それは利用しようとする"素材"、つまりきものがどのようなものかによって全て違ってきます。当然染替えしやすいものと、しにくいものがあり、このことを踏まえたそれぞれの素材に合う加工方法の選定が、更生染を行なう場合の大きなポイントです。
 染替えには大別して、色を抜いて染める方法と、色抜きせずにそのまま染める方法があります。どちらにするかは色が抜けるかどうかで分かれますが、もちろんそれだけではなく、様々な要素が絡んでくるので、その判断は一枚一枚違ってきます。また、材質的に色抜きが出来ないものもあり、この場合はそのまま染めることになるのですが、元の素材との関係もあり、染替えの範囲はおのずと限られます。その意味で、色が抜けるのは染替えに向き、色が抜けないものは染替えには不向きといえます。

 色抜きが出来ない材質の代表的なものに、紬があります。紬は糸の段階で染めてから織り上げる、いわゆる"先染め"の生地で、色が抜けず、抜けてもムラになります。織りで柄を表わす「織物」は一般的に色抜きしにくく、その意味で御召やウール、織帯なども色抜きは出来ません。

■赤色、黄色にご用心・黒と白にも注意して・金、銀、刺繍は泣きどころ

 色抜きで難しいのは、文字通り「どこまで色が抜けるか」という事です。最も色抜きがしやすいきものは無地で、その次は小紋、付下げ、訪問着の順となりますが、一般にきものを染めるとき、色抜きのことを考えた加工法がとられることは、ほとんどありません。そのため無地ならともかく、柄ものの場合は色によっては抜けないものもあり、刺繍や金加工も色抜きの障害になります。これらを事前に把握する事は、スムーズな染替えにはかかせない事です。
 柄の中に赤、黄色、黒がある場合、これらはほとんど抜けません。また、模様の中の白い色は一般に「ゴフン」というものが使われ厚化粧のように見えますが、これはまったく抜けません。金加工の場合は金を抜くことよりも、金を生地に付着させている接着剤が、時系変化で腐食して生地が弱くなっている恐れがあるので注意が必要です。
 刺繍は解く事が出来ますが、刺すのと変わらないほど加工代が高く、解いた跡が穴だらけになるので、あまりおすすめできません。だいたいにおいて、高価で手の掛かった加工が施されているものほど色抜きは難しく、また詰まった柄よりも飛び柄の方が、全体柄より部分的な柄付けのもののほうが、抜いたあとに残る元柄のバランスが悪く、染替えの柄選びは制限されます。
 このように色抜きにはさまざまな注意点と、確認すべき条件があるのですが、一番肝心なことは「素材がしっかりしている」という事です。生地は染めるにしろ、色抜きするにしろ、化学薬品の中をくぐりますので、その度にある程度生地が弱まることは避けられません。また絹には「ぜい化」と呼ばれる現象があり、時間経過につれて生地がやせ、弱くなっていきます。
 生地の橋を水で濡らし、左右に引っ張ってみて敗れるようであれば、その生地は色抜きには耐えられません。あまり古いものや、軽めの生地を使用していると思われるものは、始めから避けたほうがよいでしょう。

染替え -色・柄選び-

 きものには色抜き出来るものと、出来ないものがあるという事、抜けにくい色や、色抜きに不向きな加工がある事をお話しました。それでは具体的にどのようなものが、何に染替えられるのか、今回はアイテム別にご説明いたします。

■1.色無地

 無地のきものは柄が無いため均等に色が抜けるので、染替えの素材としては一番適しています。小紋から訪問着などの絵羽柄まで、全般にわたり柄選びが出来ます。抜け具合によっては無地にも決められますが、柄が無い分、些細なスレや生地の痛み、しみの跡でも染ムラとして現われやすく、出来れば柄ものを選んだほうが無難です。また喪服など黒染のもの、草木染等、堅牢度の高いものは色が抜けにくく、染替えには不向きです。

■2.小紋

 一般に色の薄い、細かい柄のものは色が抜けやすく、濃い色のもの、飛び柄のもの、大柄のものは元柄として残りやすくなります。何に決めるかは、抜け具合を見てから決めますが、仮にきれいに抜けたとしても、小紋柄や付下げ小紋(柄が一方付で総柄の付下)など、無地場が少ないものを選びます。色抜きしても抜けなかった元柄は、ほとんどの場合、茶色に残ります。この茶色く残った元柄を上手に隠し、目立たなくさせるような柄を選ぶことが、染替えを成功させるための大きな秘訣です。ポイントは、元柄の残り方に似ている柄行きのものを選ぶこと。

■3.付下げ・訪問着

 刺繍や絞り、金加工などが施されている訪問着は、一般に染替えには向きません。また、染だけで描かれている場合でも、柄の部分と無地場の色の抜け方に差が出るため、かえって柄の選定が難しくなる可能性があります。ただし、染めぼかしの付下げや訪問着は、抜け具合によっては柄の詰まった付下げ小紋などに染替えることが出来ます。

■4.紬

 染紬以外は、基本的に色抜きが出来ないため、直に色をかける「目引き」加工になります。目引き加工では下地の色との関係上、同系の濃色をかける事が一般的なので、どうしても渋くしたりくすませることが主な目的となります。なお、染紬は色が抜けるかどうかで加工法が違いますが、草木染で染めたものは一般に抜けが悪いようです。
 このほか、コート地、帯、長襦袢なども基本的に染めたものであれば染替えは可能ですが、前述したように黒地に決めた留袖や喪服、繍箔の訪問着などは染替え出来ません。しかし、柄を足したり彩色を変えたり、柄を生かして地色を変えたりして、年代や雰囲気を変える事は出来ます。これを「再生加工」といい、今日ではしみ抜きでは落ちない古じみの修整などにも広く使われています。

再生加工について

 「柄の色がちょっと派手になってきた」
 「柄はいいんだけど地色がコレじゃもう無理ね…」
 「この振り袖、娘にと思ってたんだけど、色もくすんでるし、金もハゲちゃって…」

 お手持ちの着物を見て、このように感じたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 きものは全体に染め替えるだけではなく、部分的に色を替えることも出来ます。たとえば、ポイントになる柄の部分や地色だけを色替えして、派手にしたりくすませたり、地味にしたりする、または新たに刺繍や金箔を置き直して華やかにすることにより、全体の雰囲気を替えたり、年代を変えたりする事が出来るのです。このような加工を「再生加工」といい、色抜きが出来ないもの、染替えが出来ないきものでも加工可能です。

 再生加工の方法と種類は、大きく分けて下記の6つに分けられますが、一番多いのは、柄色を挿し直す「彩色直し」です。そして、再生加工を行う「動機・目的」も人によって様々ですが、やはり年齢や趣味の変化に伴うものが多いようです。
 再生加工は安易な染替えではありません。お手持ちの古いきものを、一流の京友禅の職人が優れた伝統技術で再生し、今のニーズにあったきものに甦らせるのです。加工は全て本友禅の手描き加工。そのため、加工する箇所、加工の種類などですべて費用は異なってきますので、加工にあたっては予算と、どうしたいかのかをはっきり把握しておく必要があります。

 ところで、再生加工に限らず、更生染めで一番問題になるのは、どれだけお金を掛けるか、という事でしょう。古いものを利用するわけですから、あまりお金を掛けるのは意味がない訳です。金額的にはケースバイケースで、一概には言えませんが、目安としては、訪問着などで8万円~10万円、留袖・振袖で15万円ぐらいまでです。これが高いか安いかは意見の分かれるところでしょう。ただ、加工しようとする着物に、どれだけの価値を見出しているかは人それぞれで、さらに目的や用途、着物の種類によっても違ってきます。たとえば、着るかどうかも分からない訪問着に10万円は高すぎるかもしれませんが、自分の着た振り袖を娘も着てくれるとしたら、そのために15万円掛けたとしても、買うことを考えたら全然安いわけです。価値というのは相対的なものなので、第三者の立場では決して断定的な評価は出来ません。その意味でしっかりした目的意識を持つことが大切です。