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きもののクリーニングについて

しみやカビがついてしまった

しみを付けて絶対こすらない

防水加工について

きものの後始末について

きものの保管 -虫干し-

きものの保管「乾燥剤」について

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料金表

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きもののクリーニングについて

 きものを洗うと言うと抵抗感を感じる方がいらっしゃいますが、今日では汚れを科学的に分解処理する技術の向上により、解き洗いしか方法がなかった時代とは比較にならないほど、生地の特性に合った、合理的な加工処理が行われています。汚れを落とすクリーニングは、本来の機能を保つうえでも必要な事なのです。きもののクリーニングの方法は、生地、汚れの状態により、丸洗い、部分洗い、しみ抜き、洗い張りの4つに分けられますが、通常は丸洗い+しみ抜きで加工されます。

■生洗い生洗い(丸洗い)

 きものを解かずに、ドライクリーニングによりそのまま丸洗いする事を生洗いといいます。ドライクリーニングとは水の代わりに、石油から精製された有機溶剤を使って洗う事で、基本的には洋服のクリーニングと同じですが、きもの専用の生洗いは、その工程、溶剤の種類などが全て異なり、絹の特性に合わせた加工処理が行われます。そのため、型くずれ、色落ちなどの心配がなく、また解く必要がないので仕立て代がかからず、経済的です。着用回数2~4回で、比較的汚れがひどくない場合の加工方法です。

■部分洗い

 全体に洗わず、汚れやすい衿、袖口、裾を中心に作業台の上で汚れを落とす洗い方。着部分洗い用回数2~4回で、比較的汚れがひどくない場合の加工法です。ただし、一番汚れやすい衿や、静電気の起こりやすい裾の汚れは1度ドライで回してしみ抜きした方が落としやすいので、他が汚れてなくても生洗い+しみ抜き加工をお勧めする場合があります。

 

■しみ抜き

 しみはその成分からタンニン系、タンパク系、油性、水性、またはその複合体など、様々に分類できます。そしみ抜きのため、しみ抜きにはそれらの特性、時間的変質を考慮した、高度な技術と経験が要求されます。しみ抜きの方法としては、大別して「洗い落し」と、脱色を伴う「酵素分解」に分けられますが、きものをタンスにしまい込むことの多い昨今では、時系変化による酸化変化した、酵素漂白の必要なしみがほとんどです。そのため、染料を扱う染色補正(色を抜いたり色を補ったりして、染色意匠を修復する技術)の技術が必要になり、さらに重度の変質の場合は、「柄足し」「箔おき」といった友禅技法を用いるので、しみ抜きひとつでも、最終的にはきものの染色技術の専門知識が必要となるのです。

■洗い張り

 きものを解きほどき、反物の状態に戻してブラシで水洗いする加工方法です。全体のうす汚れや水溶性のしみは、この洗い方が一番よく落ち、糊を入れ直すので、紬などは生地に張りが出ます。しかし金加工洗い張りや刺繍が施されたものは加工できず、酸化したしみもほとんど落ちません。また仕立て代もかかるので、最近では仕立て直しを伴う裏地の交換や寸法直しの時に行います。

 

 

■料金について(丸洗い)

 

丸洗い 留袖 6,300円
訪問着 5,250円
コート 4,200円
地袢 4,200円
4,200円
単衣着物 4,200円

※当店での参考料金です。詳しくはお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。

しみやカビがついてしまった

 きものに限らず、どんなものでも使用していれば汚れは付くものです。しかし殊更“きものは手入れが大変”と思われている根底には、やはり加工費用が高いことと、「洗っても大丈夫なの?」という不安感があるのだと思います。確かに洋服などと違い料金は高いのですが、それは特殊技能に対する技術料と、高額商品を扱うことに対する保険料という側面もあるのです。
 ウールに比べシルクはデリケートで、専門知識が無いと扱えません。一般のクリーニング店でも和服は扱いますが、その多くは別の専門業者に委託しています。ところが加工を受ける当の窓口が着物を知らない(着物屋ではないので当然と言えば当然)ことから起こるクレームが多いのも実情です。もちろん全てのところがそうだと言う訳ではありませんが、やはり和服は和服専門のしみ抜き店か、呉服店に出したほうがよいでしょう。

 さて本題に戻りますが、しみや汚れを見つけて一番気になるのは、それが取れるかどうかですよね。一般にきもののしみは大別して「着用しみ」と「酸化しみ」の2つに分けられます。着用しみとは着て付けたしみ・汚れ(付着した状態)で、これはいわゆるドライクリーニングでも比較的落としやすいしみです。ドライクリーニングとは揮発溶剤で洗う加工法で、きもの専門のしみ抜き業界では「生洗い(きあらい)」といいます。これに対し酸化しみは時間が経って黄変したしみ、言うならばバナナのスイートスポットのような変質によるしみで、洗っただけではほとんど落ちません。

 そこで過酸化水素水やアンモニアといった薬品を使い黄ばみを落としながら、更に染料によって修整(染色補正)していく「地直し」という技術が必要になってくるのですが、これは和服専門のしみ抜き店でなければ出来ません。また着て付けたしみでも、例えば飲み物や雨などの水じみは、生洗いだけでは落ちません。しみは大まかに分けると水、油、蛋白となり、落とすためにはそれぞれに応じた加工が必要で、水のしみは水を使わなければ落ちないのです。もっとも現実のしみはそれらの複合体であるため、どのようなしみでも全てに対応した処理が行われるのが普通です。ですから、よくしみ抜きを出す時は何のしみか明記して出すようにと言われますが、これはあまり意味がありません。

 つぎにカビですが、これは100%タンスの中の湿気が原因です。カビを防ぐにはこまめに換気をして、湿気を溜め込まないようにすることが大切です。最近はきもの用の乾燥剤(シリカゲル)もあるので、それを多用するのも一法ですが、やはり効果的なのは虫干しです。虫干しについては別の機会に取り上げますが、虫干しの虫は昆虫ではありませんので念のため。カビ取りについては、一応生洗い(しみ抜きも併用)でも落ちますが、やはり洗い張りのほうがきれいになります。ただ、洗い張りとはきものを解いて水洗いすることなので仕立て直しとなり、別に費用がかかります。

 料金は生洗い、洗い張りともアバウトに数千円から1万円前後。しみの程度によって様々です。しかしちょっとした油断から直るものも直らなかったり、予想外にお金が掛かったりすることがあるので、次の2つの事に十分留意してください。

カビ故障 カビ
打ち合いで発生したカビ故障 繊維に発生したカビ

 

 その他クリーニングについてはお問い合わせフォームよりご相談ください。48時間以内にご返事いたします。

しみを付けて絶対こすらない

あわてて擦ったり、水を付けて叩いたりしてしまいがちですが、絶対してはいけません。特に水で擦ったり洗ったりすると、しみはウスくなっても生地が白く毛羽立って(スレという)直らなくなります。仮に食事中に何かこぼしても、その場ではティッシュや懐紙などでつまみ取る程度にしてください。

 実はこの絹を水につけてこするという行為は、絹にとって一番やってはいけないことなのです。水でこすると、こすったところが白くぼやけます。色が落ちたように見えますが、これは表面が摩擦で起毛した、スレという状態です。水はベンジンなどの揮発溶剤に比べると摩擦係数が高く、生地によってはちょっとこすっただけでもすぐ出来てしまうのです。

 スレの部分を顕微鏡で見ると、織物の表面が細かく毛羽立ってるのが見えます。さらに拡大してみると、その表面が刃の欠けたカンナで木材を削ったような状態になっているのが分かります。このようにはく離した細かい繊維が、羽毛状となって光の乱反射、透過を起こし、白けて見えるのです。生地を斜めにして見ると、白くぼやけたところが浮き上がって見えるのがよくわかります。
 スレは、生地が濡れている状態でその表面がこすられることで発生しますので、シミを落とすためにこすった時以外でも、たとえば、汗をかいたときの帯下や、脇の下にも起こります。はっきりとしたしわになっていて、そのしわの形に沿って白っぽくなっているのをご覧になった事があると思います。黒留袖や喪服だとよくわかるのですが、この場合、その部分の胴裏にはたいがい汗による輪じみが出来ています。言い替えれば、スレを起こしたきものは汗をかいた証拠なので、早めにクリーニングしたほうが良い、という事にもなるでしょう。

 スレの防止は取扱い上の注意しかありません。しかも直すのは難しく、強度のスレの場合は、染料によるはき合わせなどの補正を行っても、光沢の変化は修正出来ません。特に濃い地色の場合は致命的です。
 だれでもシミをつければ、あわててしまいます。しかし、その場では乾いたタオルでぬぐい取る程度にして、後日当店にお持ち下さい。シミは落ちます。シミをつけるより、水でこするほうが怖いのです。

 

繊維に発生したスレ スレの拡大
繊維に発生したスレ スレの拡大(1,000倍)

防水加工について

絹は親水性のため非常に水に影響されやすく、ちょっと濡れただけでも水キワが付いたり(糊の含有量にもよる)、縮んだりしてしまいます。特に注意しなければいけないのが雨。少しの雨と油断してると全体が縮んでしまい、何万円もかけて仕立て直ししないと直らなくなってしまいます。

そこで事前に防水(撥水)加工しておくことをお勧めします。防水加工をすると風合いが変わると心配する方もいると思いますが、心配するほど変わりません。むしろ加工しなかった後悔のほうが大きいと思います。注意1秒、ケガ一生。です。

きものの後始末について

 誰でも、きものを着た後に一番わずらわしく感じるのが、後始末のようですね。「きものは、あとの手入れが面倒で…」このような事をよく聞きます。でも、もし次の機会も安心して着たいのなら、せめてこれだけの事は心掛けてください。決して難しい事ではありません。これは後で泣かないための、必要最低限の後始末です。

■体温や湿気を取るために風を通す

 きものを脱いだらすぐしまわずに、和服用のハンガーに掛けて、半日~1日ほど風通しがよく日の当たらないところに下げて、体温のぬくもりや湿気を取ります。これは、シワを伸ばす意味もあります。

■しみや汚れを点検する

 しみや汚れがないか、つぶさに見る。チェックポイントは衿、袖口、裾(汗・ファンデーション)、胸、上前身頃、両袖の前後、後身頃(食べこぼし、泥はね)、両脇の下、背中(汗じみ)。特に衿、袖口、裾は一番汚れやすいところです。

汚れ箇所.JPG

■早めにしみ抜きする

 絹のきものにしみを付けた場合、それがどこであれ何であれ、しみ抜きは専門家に任せた方が無難です。生療法は怪我のもとで、自分でやってもまず無理。かえって悪くしてしまいます。しみは、すぐ取らないと落ちなくなるということはありえませんが、タンスにしまい込むと忘れてしまうので、気が付いた時に出しておきましょう。

■自分で出来るお手入れ

 きものを着る機会の多い方はしみ抜きはともかく、せめて衿ふきや、袖口ふきぐらいは自分でしたいもの。そこで上手な衿拭きのコツをお教えします。まず、洗濯して糊けを抜いた白い木綿の布に、良質のベンジンを含ませます。衿を広げ布目を通したあと、その布目に沿って拭きますが、このとき汚れている部分だけではなく、掛衿全体を拭いて下さい。衿の汚れは背縫いを中心に、左右20センチ前後の所につきますが、汚れの部分だけ拭くと、どうしても輪じみになりやすいのです。際を全体にぼかすように、掛衿全体を拭くのが衿拭きのコツです。ただし、自分でする衿拭きは、汚れを落とすのではなく、散らしているだけなので、きものは小紋か紬までにしておいたほうがよいでしょう。また、生地によっては含まれている糊の関係で、輪じみがつきやすいものもありますので、十分試験してから行って下さい。なお、水はスレが生じるので一切使いません。

衿拭き.JPG

■アイロンをかける

 アイロンは必ずドライでかけます。シワの部分を裏返し、糊けを抜いた白い木綿の布を当て、布目に沿ってかけていきます。縫い目は必ずまたぐように。専門店にしみ抜きを依頼するのならついでにシワのばしもしてもらえればきれいになります。

■たとう紙に包む

 きものは1枚1枚必ず和紙のたとう紙に包みます。和紙は木綿の風呂敷に比べ、吸湿性に優れているので、きものの保存に最適です。間違ってもファスナーのついたビニール製のたとう紙には入れないこと。また、保存剤は防虫剤ではなく、乾燥剤を使います。

きものの保管 -虫干し-

虫干し 箪笥の除湿で代表的なのが、虫干しです。虫干しというと、害虫から守ることのように思う方もいるかもしれませんが、虫干しとは衣類の除湿をするために行うもので、高温多湿の日本では昔から欠かせない習慣でした。時期は冬と夏の2回、11月末から2月までの小春日和の日(寒干し)と、梅雨明けの7月下旬のよく晴れた日(土用干し)で、どちらも2~3日晴天が続いた後に行います。


 虫干しは必ず家の中で行います。窓を全部開け、風の通りに沿って紐を張り、きものを裏返して掛けます。このとき絶対に直射日光に当てないこと。色ヤケの原因になります。長襦袢も帯もコート類も、すべて掛けます。小物を干す場合は、廊下か畳のうえに大きなたとう紙を敷いてその上にバラバラと散らすようにしておきます。草履は立てかけるようにして干し、裏側に十分風を当てます。とにかく、すべてのものを引き出しから出し、包みの紐をとき、空気に触れさせます。

紐に掛けきれなかったら、ハンガーでも椅子の背でも、何でも利用してください。要は乾燥した外気に晒すことが出来ればよいのです。このとき扇風機を使って風を当てると、より効果的です。また、きものや小物をを干すだけではなく、箪笥の引き出しも十分乾燥させます。
 そして、陽が沈む前に、たたみはじめます。これは夕方の湿った空気を絹に吸わせないためです。空気を押し出しながら、きれいにたたみ、たとう紙に入れてしまって下さい。このとき、ハーブなどを入れると、移り香が楽しめます。

 このような虫干しは、昔はどの家でも行われていました。衣類を湿気から守る、一番確実な方法なのです。しかし、今日の実生活の中では、それもなかなかしにくいのも事実です。そこでもう少し楽な「手抜き」の虫干しの方法をお教えします。もちろん、これでは十分ではありません。でも、何もしないよりはマシなのは確かです。

 まず、扇風機を準備します。扇風機がない方は買うか、または諦めて下さい。扇風機を箪笥の前に置き、羽根の高さの位置の引き出しを引き抜きます。そのほかは30センチほど引き出して下さい。洋服ダンスのタイプの、上部に位置する観音開きのお盆の場合は、何とかその位置まで扇風機を上げる努力をして下さい。引き抜いた引出しのきものは、ハンガーに掛けるか、椅子の背に掛けるかして、とにかく広げます。そのほかのきものは、引出しに入れたまま、出来る限り紐を解いて、中のきものを空気に触れさせて下さい。引き抜いたところに、扇風機を「強」にして風を当てます。扇風機を風で送り、強制的に換気するのです。この状態で虫干しと同様、陽が沈む頃まで置いておきます。そして最後に乾燥剤(シリカゲル)をすべての引出しに入れます。


 この簡易虫干しは、年2回行います。そして乾燥剤を併用しないと効果がありません。乾燥剤の有効期間は商品により多少違いますが、大体半年ぐらいですので、次の虫干しのときに交換します。なお、乾燥剤は、引出しの底に敷くシートタイプのものが、使いやすく強力です。

きものの保管「乾燥剤」について

乾燥剤 長い間たんすにしまい込んでいたきものを思い出したように引っ張り出した時に、多くの方が最初に気付くこと。それは見覚えのない「しみ」が付いている事。しみなんか付けた覚えがないのに、ちゃんと陰干ししてからしまったのに、一度しか着ていないのに、しみがついている…なぜ?結論から言いますと、これらの犯人は"カビ"です。

 カビは条件が揃うとどのようなものにも簡単に発生し、次々と広がっていきます。カビが発生する条件には、1.温度、2.湿度、3.栄養分(繊維も栄養分になる)、4.酸素などがありますが、たんすの中というのはこれらを全て満たしている、カビにとってはまさに格好の場所なのです。
 また最近の住宅は非常に機密性が高く、家じゅうの換気につながるような、自然の通気というのはほとんどありません。そのため、湿気がこもりやすくて抜けにくく、特にたんすが置かれるような場所は、一般的に閉め切りがちな寝室や奥座敷が多く、何よりも着ることがないのでタンスを開けることがない。かくしてタンスは格好の『カビ培養器』 となるのです。水じみはキワだけ残して消えてしまうので気づきにくく、そこにカビが生えると酸化作用で黄じみに変質します。陰干ししても汗じみは残り、カビが生えて変色します。何度着たかではなく、何年しまい込んだかで時径変化は起こるのです。
 カビを防ぐには1にも2にも換気をこまめにして、湿気をためないようにするほかありません。そのためには虫干しが不可欠ですが、虫干しが出来ないならば「乾燥剤」を使うことをお勧めします。

乾燥剤(シリカゲル)は押入れの収納には必需品ですが、きものの保管にも有効です。収納スペースや湿気の吸収効果から、表面積の大きいシート状のものがお勧めです。それを一つの引き出しに1枚以上入れます(観音開きの和ダンスにも出来るだけ入れてください)。湿気は下に溜まるので、敷き紙の代わりに使うとよいでしょう。乾燥剤は多ければ多いほど、効果は強力です。ただし使用期限は通常6か月ぐらいですので、必ず入れ替えましょう。

  当店ではたんすの敷き紙として使うタイプの強力なきもの専用の乾燥剤を扱っておりますので、是非ご利用下さい。

きものの保管「防虫剤」について

 生活様式の多様化や意識の変化により、きものが普段着ではなくなってしまった今日では、どうしてもタンスにしまっておく時間が長くなりがちです。なかには、きものを持っていることすら忘れてしまったり、自ら、勝手に門外不出にしてしまっている方もいるのではないでしょうか。きものは息の長いものです。10年、20年ぶりに着る機会ができた、なんていうこともよくあります。久し振りに出してみたら、カビだらけ自体が虫干しになったわけですが、きものを着なくなった以上、保管状態に留意しない限り、きものの美しさをいつまでも保つ事は不可能です。

 一般にきものの保管を考えた場合、皆さんが最初に思いつくのは、防虫剤かもしれません。たしかに、ウールや絹のきものは虫が食べるので防虫剤は必要ですが、正絹のきものの場合は、必ずしも必要ではありません。というのも、これは意外に知られていないのですが、もともと絹はウールに比べると、虫による食害は少ないのです。特に生糸を精練して作られた絹糸は、ナイロンなどの化繊よりも食べません。むしろ、過信して大量に使用した結果、思わぬトラブルや事故を招く場合があるのです。そしてそれらのほとんどが、通気の無い、密閉したタンスで発生してしまいます。

 このような事故はもちろん端的な例であり、数としては決して多くありません。しかし、いつでも起こりうる事として、防虫剤を過信せず、少なくとも正絹のきものには多用しない方がよいということは、覚えておいたほうがよいでしょう。

きものの保管「箪笥」について

箪笥 きものは保存の仕方がよければ親子3代も着られますが、保存の仕方が悪く、その状態も悪いと、湿気によるカビやしみで、生地がぼろぼろになってしまいます。きものの収納には、衣裳箱や茶箱などもありますが、機能性からいって箪笥に勝るものはありません。

箪笥の素材は桐、桜、桑やチークなどがありますが、きものの保存にはやはり桐が最適です。その昔、女の子が生まれると桐の木を庭に植え、その子が嫁ぐとき子供の頃から一緒に育った桐で箪笥を作り、嫁入り道具として持たせたといいます。また削れば新品同様になり、長く使えるとあって親しまれてきました。

 桐は「生きている木材」といわれ、材そのものが外気の状況により変化(伸縮)します。湿気の多い季節には湿気を吸って膨張し、家具にほどよい隙間をふさぎ、逆に乾燥した季節には湿気を抜いて収縮し、家具にほどよい隙間をあたえ通気を保つのです。しかも他の木材と違い内部まで湿気を伝えないため、湿気を嫌う絹にとっては最適な木材なのです。

また、桐に含まれる特有のタンニン成分によって虫が付きにくく、さらに軽く狂いも少ないなど建材としても優れていて、四季のはっきりした日本の気候には最適の家具材といえます。ところが、今日では機密性が高く通気の悪い住環境と、洋装が主流となったライフスタイルの変化によって、この桐の特性が必ずしもメリットとは限らなくなってきています。というのも、外出がちで通気のない部屋は湿気が溜まりやすく、きものを着ないことにより箪笥を開けなくなるため、湿気で膨張しきった桐は箪笥の中の空気を長期にわたり抱え込んでしまうのです。これは箪笥の中が乾燥した状態なら良いのですが、中の空気が湿っている場合は湿気を密封してしまう事になり、完全に逆の状態になってしまうのです。


 よく桐のタンスに入れておいたのにカビが生えた、しみができた、という話を聞きますが、これは箪笥を置いている場所の湿気が多すぎて、桐材の吸湿能力を超えているからにほかなりません。きものの裏地一面に現われる黄色いホシのようなしみも、たとう紙についている黄じみも、すべては箪笥の中の湿気が原因なのです。

 きものの収納で、もっとも重要な事は防湿です。高価な桐の箪笥も、虫干しの必要性も、すべては湿気から守るためのものなのです。そして、その一番確実で簡単な方法が、きものを着る事であることは言うまでもありません。

料金表

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※4月1日より料金改定いたします。