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きものDE短歌

きもの de 短歌 その5

紐のいち 長ききものに位置高く 短ききもの 位置低くする

・・・これは着物の身丈の違いを、腰紐の位置で調整するという意味です。どんな着物を着た場合でも、その人の締める帯の位置は一定です。そこで長い丈の着物は腰紐を締める位置を高く、短めの着物の場合は低くしておはしょりの長さを調整するのです。「おはしょり」という、着物独特の「部分」が成せる技ですね。

きもの de 短歌 その4

衿あわせ 若きはつめて 年ごとに ゆるみもたせて 装うのがよし

・・・確かに年齢によって衿の合わせ具合は違うと思いますが、それ以上に大切なのが、きれいに衿合わせすること。繰越しのない男の着物でも衿はすぐ乱れやすく、見た目にも左右の半衿の出かたがバラバラでは見苦しくてカッコ悪いです。衿が適度に抜け、半衿がすっきり見える着こなし。帯から上はこれに勝るものはありません。

きもの de 短歌 その3

衿抜きは 年齢により加減して きものの格と 体形にもよる

・・・まあ、あまり抜き過ぎるのもどうかと思いますが、ぜんぜん抜けてないとこれはカッコ悪いです。でも今は抜いてるひとの方が多いようで、昔みたいに5分なんてあまりないですね。大体8分ぐらいかな。以前、テレビのワイドショーのコメンテーターにどっかの大学の先生で、うなじどころか鎖骨まで見えるほど抜いて着てるひとがいたけど、あれはやりすぎです。そういえば最近見ないけど。

きもの de 短歌 その2

「装いの 補正する時 体形は 寸胴なで肩 はと胸がよし」

・・・・実はそうなんです。ボッキュンはダメなんです。ボッキュンは着崩れの原因になるんですヨ。まん丸太がいいんです。きものは七難隠します。そのままでいい。楽でしょ、あ~楽だ!

新企画▲きものトラブル事例集▼

きものは絹(シルク)というたんぱく質でできた繊維素材で、その発色のよさとなめらかさは他の追従を許しません。しかしそのデリケートな素材ゆえに起こる事故や故障もたくさんあります。あなたの日常にも起こりうる着物のトラブル、その事例と起こる原因を、今週より五十音順に取り上げ説明してゆきます。

汗は日常生活でもかきますが、着物を着てかいた汗はちょっと面倒です。着物に汗が付くとどうなるか。具体的に挙げてみます。

①シミになる

汗をかくと濡れることで輪ジミができます。汗は98%以上が水ですが、それ以外にも塩化ナトリウムや尿素など微量な成分が含まれており、シミの部分は酸化作用が進むと黄変します。

②縮む

生地が濡れると濡れた部分の色が濃く見えることがあります。これは濡れたことにより生地が縮み(収縮)、陰影ができることで光沢異常を起こしている状態です。一越やちりめんのような生地で顕著に見られます。部分的な縮みなので、蒸気を当てたり水処理で縮みを均等にすることで直りますが、生地によっては残存樹脂の影響で陰影が直らず、いつまでもシミが付いてるように見えます。

③色泣き(色移り)

生地が濡れて、重なる生地の色が付着する現象です。親水性の高い絹ならではの事故で、胴裏に付くと落ちにくくなります。

◎汗のトラブルは軽視できません。黄変したシミは漂白を伴う染色補正が必要となり、費用が高額になったり、色によっては加工不能のケースもあります。汗のトラブルは早めの対処が必須です。

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うっすら見える脇の汗ジミ。生地によってはただの陰影に見えるので注意が必要。

 

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汗ジミは内側から生じるので胴裏を見るとよくわかる。

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汗で表地の色が裏地に染み出したもの。

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留袖の紋の黒が汗で長襦袢に色移りしたもの。

 

 

 


 


 

 

 

きもの de 短歌 その1

「着る前に 小物履き物みな揃え

        顔髪整え 手を洗うべし」

今週より始まった短歌で綴るきもののポイント・着付け編です。

・・・・そりゃあそうですよ。何事も段取りが大切。

せっかく裾線合わせたのに腰紐出してなかったり、

帯締めてから靴下からタビに履き替えるのはツライですから。