ホーム>スタッフブログ>2011年7月

2011年7月

★【しみ抜きビフォーアフター】⑤

酸化しみ 手 酸化しみ

平綸子地の酸化しみです。

酸化が進み硬化していたので、出来るだけ漂白してから修整工芸しました。

単色の小紋柄だったので、比較的加工し易かったようです。

修整工芸とは、文字通り修整するための染色補整です。

模様の修整ですから、絵ゴコロが必要です。

でも、絵の上手いヘタは関係ありません。

あくまで「修整」ですから、そこのところが全体に馴染めばいいわけです。

修整箇所を見ると、「葉」を書き足すために茎も伸ばしています。

これにより花の「一群」となり、全体のバランスに溶け込んでいます。

ハイ、よく出来ました。

コレ、直りますか?しみ抜き加工事例⑤

酸化しみ 酸化しみ

事例⑤ 酸化しみ ( 若葉台 O様 )

白地の綸子生地の酸化したしみです。

よく見ると、明らかに生地が逝ってます。これはキツイ。

白い生地がコゲ茶になるほど酸化が進んだしみの場合、

生地が劣化して、硬化します。実際、触ると硬くなっています。

こうなると、強い薬品は使えません。穴があきます。

一般にこのような重症のしみは無理に抜こうとせず、

染料で修整します。つまり、チョチョッと描いて、誤魔化すのです。

“誤魔化す”というと語弊があるので言い方を変えれば、

そこに模様を描いてしみをごまかすのです。(?)

幸いにして、この着物は全体がこんな感じの小紋柄なので

加工はし易いと思いますが。

はたして。

★【しみ抜きビフォアフター】④

IMG_1483_1a.JPG main.gif IMG_1582b_1.JPG

帯地・酸化しみのビフォーアフターです。

しみは幸いにして相良刺繍のところだったので、箔地にそれほど影響なく、加工できました。

正直言って、このようなしみの付き方は、まれです。

神様に感謝しましょう。