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え、胴裏の色が移った?ナニそれ?

 

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          ブラックライトに映し出された汗シミ

 

シミの状態を表す言い方に「胴裏の

色が移る」というのがあります。

 

最初は何のことかと、色胴裏でもある

まいし、色が移るわけないだろ、と。

 

で、よくよく聞いてみると、それが色

ではなく、糊のことなのだと言うのが

分かりました。

 

薄い羽二重の胴裏は、張りを持たせる

または増量のため、生地に糊を含ませ

ています。

 

汗をかいたまま長期間放置すると汗の

成分が酸化変質を促し、胴裏の糊分を

溶かす作用があるそうです。

 

特に古い胴裏に顕著に見られ、触ると

生地が硬くなっていたり、周囲の黄変

に比べ、逆に白っぽく抜けているよう

に見えることもあります。

 

溶けた糊成分は次第に表地に移り、

今度は表地の酸化作用を促します。

 

そして内側から湧き出た汗による酸化

変色は、外から付けたシミとは違い、

染料彩色を伴う工芸修正をしなければ

りません。

 

いずれにしても汗シミ的には最終

の状態で、表地に与える影響も大きく

なるべく早く交換する事が大切です。

 

本年最後の投稿となります。

毎回ネタ探しの苦労は尽きませんが

読んで頂き、少しでもへぇ、と思える、

参考にしてもらえる内容を心掛けております。

今年1年、お読み頂きましてありがとうございました。

来年も宜しくお願いいたします。

どうぞ良いお年を。