ホーム>スタッフブログ>ブログ>染め帯の更生染
ブログ

染め帯の更生染

塩瀬の染名古屋帯。

最初、シミ抜きでお預かりしたのです

が、ご覧の通り、酸化した古いシミが

全体に広がっています。

 

2020628104632.JPG

 

染帯は着物と同様に、シミ抜き加工は

可能なのですが、ここまで広範になる

と、費用の面で問題となります。

そこで、シミ抜きせず、染替えするこ

とにしました。

 

更生染にはいくつかの方法があります

が、その柄、汚れ具合、そして生かせ

るならどの様に使いたいか等、状況に

合わせて加工方法を考えます。

この帯は、染替が可能な染帯である、

全体に均等な濃さのシミがある、希望

としてはハデなので、もう少し地味な

感じになれば、ということでした。

そこで選んだのが、撒き糊の目引き染

です。

 

202062811401.JPG

 

撒き糊目引きとは、糊を全体にまぶし

その上から引き染で色を乗せます。

その後蝋を落とすと、全体が吹雪のよ

うに染まるのです。

 

この染方のメリットは、多少のシミ、

汚れは隠せる、色が乗ることでくすま

せることができる、です。

これで、当初の目的のシミを無くす、

出来れば地味にしたい、のどちらの

希望にも叶いました。

 

帯の染め替えは、帯皮のみの染め直し

となるので、仕立て直しが必要です。

また織りの帯は、ムラ・縮みを起こす

可能性があるので注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.ayashou-kimono.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/603